はじめに
「なんと今なら50%OFFです!」
「無料キャンペーン中です!」
「あの有名な〇〇さんも愛用しています!」
「〇〇が綺麗になる効果が見込めます!」
と言ったように、お得感や商品のメリットをどんなに前面に出しても売れません。
必需品なら別ですが、それ以外の属性にあたるものはなおさら難しいです。
営業の鉄則ですが、どんなに素晴らしい商品でも「必要性(Needs)」がなければ売れません。
メリットを伝えるだけではダメ!

では何故メリットを伝えるだけではダメなのでしょうか?
それはビジネスにおいて営業の根底にあるものが「問題解決」だからです。
世の中の発展のほとんどが問題解決から始まり、それらを解決するために新たな商品が生まれていて、例えば今でこそ当たり前のファッションECサイトもそうです。
自分が住んでいる地域がかなりの田舎町で、有名ブランドの服を買うにも車で片道1時間。免許がなければ公共交通機関で1時間半といった方々にとってはファッションECサイトの登場はかなり大きいです。
もちろん有名ブランドが立ち並ぶ都会に住んでいる方々にとっても、スマホ一つでショッピングができることから便利なもには変わりません。
このように困っていることや不便に思っていること、それらを解決するための手段(ツール)となるものが売れる商品となります。
必要性(Needs)を作るとは?

では、どうしたら必要性を作れるのか?
それはズバリ「不」を感じてもらうのです。
世の中にはたくさんの「不」に溢れています。
不安、不満、不足、不自由などなど・・・。とにかく困るときです。
例えば、「タレントの〇〇ちゃんみたいなサラサラの綺麗な髪になりたい。」って思っている人に対して、「この2万円のシャンプー使えば綺麗な髪になりますよ。」って勧めるとするじゃないですか?
まず、お金がたくさんある人ならまだしも普通の人なら買わないと思います。
そもそも誰しもが髪は綺麗でありたいと思っていますし、汚くていいとは思ってません。
ただ、絶対に綺麗な髪にならないと大変なことになるとか、自分の中での緊急性の高い順位のトップになるなら別です。
この緊急性というのがかなりのポイントで、当たり前ですが失った時間は簡単に取り戻せませんし、ほとんどの人は手遅れになったときのリスクやマイナスを回避すべくして行動します。
例えばですが、
「そのシャンプー使っていたら、抜け毛を促進するのと髪の痛みの原因になりますよ!何故かというと、この〇〇という成分が毛穴の汚れのもとになって、毛穴にたくさん汚れが溜まって抜け毛の原因になります。あと、この〇〇という成分に関しては髪の保湿を妨げて、髪がどんどん痛んで切れ毛枝毛の原因になります。絶対やめた方がいいです。」
と上記のように自分自身が今とても危険な状態にあるとしたら、すぐに対処しないと大変なことになるという不安を解決するために必要性が生まれます。
このように絶対的な必要性を作ることが商品を売る上での一番最初にやるべきことです。
私はよくそれを「欲求のグラス」を作ると表現します。
欲求のグラスとは?

言い換えればニーズを作るということになりますが、あえて「欲求のグラス」と表現する方がイメージしやすいです。
売りたい商品が「水」だとしましょう。コーヒーでもジュースでも飲み物ならなんでもいいです。
そしてお客様の心を「グラス」だとしましょう。
グラス(心)が満たされているのに、水(商品)を注ごう(提供しよう)と思っても、十分に満たされているわけですから買ってくれません。
ただ、不安を作れば作るほど、相手のグラス(心)は空になり、グラスを埋めるための水(商品)を欲します。
そのときに水(商品)を注げば(提供すれば)いいのです。
すでに不安に気づいている人は自ら動いて解決する行動をとっていますが、意外と不安に気付かず普通に生活している人がほとんどです。
そこを気付かせることで、自分の商品の付加価値というものを上げ、買ってもらいやすくなるというメカニズムを知ることがとても重要です。
深夜の通販番組がまさにそう

余談ですが、深夜によくやっている健康食品の通販番組の構成なんかもまさにそうです。
構成1:健康ドリンク愛用歴10年の人の紹介
商品のターゲットの年齢層と同じくらいの方々をキャスティングすることで親近感を覚えます。
構成2:10年前に病に倒れ、後遺症が残るかもしれない。
年齢を重ねれば生活習慣病などのリスクも上がり、人間ドックを受ける方も多くなるので、他人事とは思えません。
構成3:健康ドリンクに出会い、毎日飲み続けることで健康状態が戻り、今となっては欠かせない。
成功談を観て少しずつ購買欲求が上がります。
構成4:どういう成分が含まれているかの商品のご紹介。
ここで医学的な専門用語が出てきますが、アニメーションの作用もあってよりわかりやすく説明され、さらに購買欲求が上がります。
構成5:価格提示
今なら初回無料、〇〇%OFFなどのお得な情報がここで提示され、販売側からすると視聴者への最後の一押しとなります。
まさに、「もう若くないし健康には気をつけないとなー。」と心のどこかで思っていても、特に体に気を使っていない初老の方が一番ハマる内容だと思うんですよね。
明日は我が身ではないですが、その商品のターゲット層が60代であれば、VTRにはその年齢層の方を出演させ、「成功体験のストーリー」+「商品のわかりやすい説明」があれば共感できる要素が多く、かなり内容が入って来ると思います。
そして最後は気になるお値段ってことで、「通常1ヶ月分が1万円ところ、今なら3ヶ月分で1万5千円!!」とお買い得情報を伝えれば更に購入しやすくなるという仕組みです。
まとめ
どんなに素晴らしい商品だとしても、商品のメリットや良いことばかり言っても買う選択肢には至りません。
絶対的な必要性を感じてもらうことが重要です。
その為には、その商品を必要とさせる気持ちを作ること、要は不を感じてもらうことが最初にして最大のキーポイントと言えるでしょう。
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